マッチ棒 | やわらの日々戯言

マッチ棒

シュッ


シュッ


ボッ





マッチに火をつけるたび

君を思い出す





その炎は

綺麗で

あたたかくて

はかなくて



優しい気持ちになれる




君は知らないかもね

君の笑顔を見る僕が

こんな気持ちになってたなんて



そして今

もう君はいない



炎が消えたマッチ棒

先が黒く焦げていて

かすかに白い煙をあげていて…



見えなくなった

あの炎のやわらかな揺らめきは

求めても

もう見ることはできない



それでも

君は確かに

僕の紅色のろうそくに

火をともした



それだけはずっと変わらない事実













*あとがき
『光』って世の中たくさんありますよね。月光、日差し、夕焼け、机のスタンド、蛍光灯、、、どれも、情緒があって光ってものがこんなにいいものなのかと思い知らされるときがあります。そして、今回はこの詩の題材になっているマッチの炎の明かり!この詩は、友達がマッチの火をつけているのを見て思いついたんです。マッチの火って、炎の揺らめきが優しくてあたたかくて。。それでもって、すぐ消えてしまう…ひと時だけの炎だから、どこか儚くて切なくて。。消えてしまうからこそ魅力を深めてるんだなぁって思います。
これって、本当の意味での失恋(好きな気持ちを残したままの)に当てはまるんじゃないかなって思って詩にしてみました。